Jリーグ・鹿島アントラーズに柴崎岳選手(以下柴崎)というプレイヤーがいました。日本代表への選出経験もあり、昨年の鹿島優勝の立役者でもありました。その後のクラブワールドカップ決勝で、クリスティアーノ・ロナウド率いるレアルマドリード相手に2得点を決めた事は記憶に新しいです。一言でまとめるとJリーグ期待の若手有望株だったわけです。
クラブワールドカップの活躍もあってか、今年1月末に鹿島からスペインの2部リーグのCDテネリフェに移籍しました。1部のチームとは契約間近で破談になったらしいですが、2部とは言え念願のスペイン移籍を果たしたのです(柴崎本人がスペインにこだわっていたらしい)
さて前置きが長くなりましたが、念願のスペイン移籍を果たしたはずの柴崎が移籍先のチームの練習に2日間参加したのち、ホテルに引きこもってしまったらしいです。あらま。
当初は胃腸炎との報道で、移籍した矢先にハードラックとダンスっちまったな..とすね毛をいじりながら思ってたわけですが、いつまでたっても柴崎はホテルから出てきません。Youは何しにスペインへ?
時に日本代表は「ひきこもりサッカー」と揶揄されることがありますが(守備偏重のサッカー)柴崎はリアルひきこもりサッカーをスペインの地で1人やってたわけです。ちなみに、クラブ側の医療チームから「不安障害」にかかった可能性を指摘されたとのこと。
ネットではチームメイトにイジメられただの、掘られてなかやまきんに君コースに乗っただの勝手な邪推で溢れています。柴崎には柴崎の事情があるでしょうから邪推はしませんが、客観的に報道されている事実を俯瞰すると新しい環境に馴染めなかったことだけは確かなようです(結局邪推する)
なんか嫌な感じは伝わる…
昨今の海外移籍したサッカー選手、野球選手を振り返ると大きく3つパターンがあるように思います。
- 実力型(コミュ力抜きの実力で周りを認めさせる)
イチロー、中田英寿、中村俊輔
- ピエロ型(足りない実力をコミュ力でカバーして溶け込む)
長友佑都、川崎ムネリン、新庄剛志
- エロチャット型(チャンネーとのキャッキャウフフを楽しむナチュラルボーンピエロ)
香川(ただのバカ)
もちろん実力型にもコミュ力はあるでしょうしピエロ型にも当然、実力はあるでしょう。しかし、あのイチローでさえ初めてのメジャーリーグ移籍であるシアトル・マリナーズではチームメイトから嫌がらせを受けたというのは有名な話です。エロチャに自信ニキの話は言及しません。
もちろん彼らには、私みたいなチャラいだけのおじさんと違い、一流アスリートとしてのプライドがあります。長友も川崎ムネリンも多かれ少なかれ、ピエロになる必要性があると思っているからバカという役回りを演じているんだと思います。サッカー選手や野球選手は営業マンではなく技術職でして、技術と同様に世界で通用するコミュ力を要求されるんだから大変です。
アスリートが行く欧米は多かれ少なかれ日本人(アジア人)を舐めています。日本人にリスペクトがある、アジア内ならまだメンタル的にヘルシーに済むでしょうけど。マンガ・べしゃり暮らしのマイフェーバリット・フレーズに「学校ではお前は人気者だから何してもウケるが、舞台に立てば客はお前を何も知らないんだからウケない」というものがあります。
彼らもプロになるレベルの選手ですから、幼少期からコミュ力があろうとなかろうと「あいつスゲー」とリスペクトとともに、コミュニティ内では受け入れられてきたはずです。先に述べたタイプ別でいうと彼らは元来、実力型だったでしょう。
流川もコミュ力ゼロですが、実力だけで湘北高校バスケ部で絶対的な地位を確立しました。しかし、トップアスリートが集まり白人が主流である欧米の野球/サッカー業界では「あ、なんかイエローモンキーがきたなー」程度の感覚でしょう。
柴崎がどのような態度でチームメイトと接していたかは定かではありません。しかし、少なからず英語もスペイン語も喋れないようです。言葉ができないなら、周囲に溶け込むには足りる実力がなければ、ピエロ型に寄せていく必要があるでしょう。サッカーの国のスペインのその空気を吸うd..(ry
護送中の容疑者ライクのバルセロナに向かう柴崎
海外生活では拙さで笑われるということ
シンガポール、ロサンゼルス、台北と3都市で暮らした私が思うことは、海外暮らしはバカになれない人間(プライドの高い人間)にはキツイということです。なぜなら言語や文化、慣習を「知らない」だけで現地人に拙く思われるからです。
海外生活は一部の日本人からすると憧れがあります。私だってそうでした。しかし知らない人間が思うほど、海外生活は順風満帆なものではありません。言語や文化、慣習が違う中で暮らしていると我々外国人はどうしても拙くなってしまうんです。
日本で日本人と接している時は、無知から来る「拙さ」で笑われることはあり得ないことです。それに我々は大人です。仮に相手の現地人が嫌な奴で「そんなことも知らないのー!?w」などと軽くバカにされたら誰だって内心ムカっとはくるでしょう。しかし、そのような人間は悪意があろうとなかろうと一定数いることは確かです。
豪商の私も言語が不得手だったり、文化・慣習の違いで「なんかバカにされたな」と嫌な思いをしたことは何度もあります。これは外国語を習得したり、海外で生活するうえで避けては通れない道だと思っています。では、どうやって現地人に溶け込めばいいのでしょうか?多くの我々一般人には、一部のアスリートのように拙いながらも、周りを認めさせる技能は持ち合わせていません。
そのヒントが先に述べたピエロ型のアスリートにあります。
拙いならいっそ開き直ってバカになれ
外国人に感じる「拙さ」は言語が占める割合が多いでしょう。外国語はネイティヴレベルじゃなきゃ大体、小学生みたいなものです。私の英語だってシンガポールとアメリカで1年ほど暮らしましたが、ネイティブの小学生レベルかそれ以下だと思います。まぁ一通り話せるけど、、ぐらいです。小学生がかっこつけてもサマにならないですよね?
仮に日本で日本語が不得手な外国人と出会ったとして「ア、オレ日本語ウマク話セナイカラ」とかカッコつけてる外人より「チンチンウェーイ!ワッショーイ!」の外人と仲良くなりたいじゃないですか。エガちゃんも言ってた。カッコつけるのはカッコ悪い。カッコ悪いがカッコいい。
海外生活ではこれぐらい開き直りたい
日本人の長所でも短所でもある特徴が空気を読んでしまうところです。むしろ海外では欠点になることのほうが多いと個人的な経験から言えます。空気を読んでしまうから、モジモジする。さらに開き直りずらくなる。悪循環です。稀代のカブキニストと呼ばれる私ですら、外人との関係性において必要以上に空気を読んでしまうことが未だにあります。
しかし、多くの外人(特に白人たち)は内気な日本人よりもブッ込んでくる奴らには寛容です。ですので、我々日本人は海外生活において空気を読まずに「拙い小学生みたいな外人」として開き直ったらいいんですよ。別にピエロでもバカでもいいじゃないですか。俺はお前の言語はうまく話せないけど、日本語はペラペラなんだぜ、どうだすげーだろぐらいの気概でいいじゃないですか。必要以上に縮こまることはありません。
バカになれというのは、本当にバカになれって話じゃありません(なってもいいけど)チンチンウェーイ!と言えということでもありません。言葉が話せなかったりするだけで変にモジモジせずに、積極的にミスや場が白けるのは恐れずにガンガンぶっこんでけという意味です。
別の機会に書きますが、相手がチャンネーでも外人でもカッコつけずにバカになってドーンとぶっ込んで行くということは本当に大事です。これはナンパも同じで、コミュニケーションで大事なことは、何を語るかではなくパッションの熱量なんですよ。
心意気として重要なことは、周りの反応に対してキョドらない。「拙さ」でバカにしてくる人間がいてもビビらない。そこは海外で相手は外人です。柴崎にはもしかしたら足りなかったかもしれませんが、海外生活は想定の範囲外の連続です。大事なことは、何が起きようと揺らぐことのない断固たる決意です。安西先生も言ってた。
柴崎にはしっかりバカになってもらって新天地で活躍する姿を見せて欲しいですね。
ところで、テネリフェと聞くと「ネットリフェラ」と脳内変換されるのは私だけでしょうか。
スペインについては過去にこんな記事も書きました。
初コメント失礼致します!
海外に限らず、日本においてもこその要素は大きなアドバンテージになるのだろうなと、まだ短い人生経験ではありますが感じました。
そして、まさに、今の自分に足りないと認識している要素だったので、なるほどなと強く感じさせられる記事でした。
コメントありがとうございます。
そうですね。日本人はガンガンブッこみ過ぎると嫌がられることもありますが、最低限の空気を読んでいればバカになったほうが楽しいでしょうね。
そうでしたか。少しでも参考になったら嬉しいです。