LAで性愛弱者である日本人ナンパ師が得た気づき

2月の3連休中日の日曜日。バレンタインデーだった。ザ・ゲームの舞台になったロサンゼルスはサンセットストリップにあるモンドリアンホテルのバーでタバコを吸っていた。正確にはバーの外。バーの中には宿泊客かゲストリストがないと入れないと黒人のスタッフから言い渡された。困ったなと思いつつ、横でタバコを吸っていたフランス人の中年男性と仲良くなった。

有名IT企業に勤務し日本への出張経験のある彼と日本のインターネット産業やケータイの変遷などを話していたら「俺は宿泊客だからバーで一緒に飲もう」と誘ってくれた。彼の名はヨセフ。シアトルからバケーションでLAにやって来た彼は子供たちとモンドリアンホテルに宿泊しているらしい。ちなみに妻は彼がプレゼントしたNY旅行を友人と楽しんでいるとのこと。なかなか豪気な父親だ。

言語コミュニケーションを断絶されて気づいたこと

バーカンで乾杯しテーブルに移動した時に、ヨセフが置いたジャケットを拍子に白人女性の2人と話した。私からするとフランス人のようにも見える彼女たち2人はモロッコ人だった。突然、3人は私の知らない言語で意気投合し始めた。フランス語だった。前週のウエストハリウッドのClubでのシーンが脳裏に蘇った。以前ナンパして連絡先を聞いた女の子に誘われて、彼女とその女友達とClubで合流した時のことだ。気づいたら背の低い白人の男が我々の中にいた。私の知らない言語で盛り上がる3人。男はプエルトリコ人で、彼女たちはヒスパニック系アメリカ人だった。彼らが話していたのはスペイン語。英語ですらグループの会話についていけるかどうかなのに、オラ(こんにちは)とハポネス(日本人)ぐらいしかスペイン語を知らない私が対応できるはずがない。言語というコミュニケーションを完全に断絶された私は蚊帳の外だった。

話をヨセフと2人のモロッコ人に戻そう。彼らは常識人で「ごめん、ちょっとフランス語で話す」と私に断りを入れた。なんだかみじめな気分になった。ちくしょう!世界と渡り合うにはいくつ言語を覚えなくちゃいけないんだ!プールサイドを眺めて手持ちぶさたにコロナビールを飲んだ。ホテルのゲストであろう男女が楽しそうに踊っていた。たしか聖書のバベルの塔の記述で”神が人類に試練を与えるため言葉を乱した”と書いてあった気がする。いくつもの言語を越えるというのは神すらも超えなくてはならないのか―

ふと背の低いほうのモロッコ人が爪を噛んでいることに気づいた。これが日本語や英語の会話だったら、特に何も思わなかったもしれない。しかしこの3人との言語コミュニケーションが断絶された私には違う感覚が研ぎ澄まされていたのだろう。背の低い彼女が爪を噛んでいるという些細なことがすごく気になった。

私は背の高いほうの聡明なモロッコ人・モニャに聞いた。
「彼女って家庭環境に問題がある?」
「どうして?私からは言えないから直接、彼女に聞いてみなよ」
「爪を噛むっていうのは”愛が足りない”ことを意味するから」
「興味深いね」
「俺、行動心理学に興味あるんだ」

背の低いほうに聞いてみると父親のせいで色々苦労をしてきたそうだ。予想が当たった。彼女たちからの注目を引こうと発言したわけではないし、愛情が不足してるなんていうのも一説だと思うけど、これは相手の興味を向けさせるために使えるかもしれない。自分には目の前の相手(女性)を観察するということが不足していたように思う。

振り返ってみると私は日本やアジアで性愛強者だった。ナンパ自体が上手いと思ったことは特にない。それでもナンパして、バンゲして、アポをして、おセックスをする。それが普通だった。もちろん上手くいかない時だってあるけど、特別な努力や工夫を要さなくても満足いく結果を手に入れ続けてきた。自分のナンパは一言で表すとスペックとノリのゴリ押しだったのかなと思う。観察も必要ない、ピーコックも必要ない、相手の文化に寄り添ったノリも必要ない。それでも女性から好かれてきた。

性愛弱者だからこそ考え努力する

しかしアメリカも以前行ったヨーロッパも違った。普通にナンパして、バンゲして、アポをして、おセックスをするという自分の常識が通用しない。その理由を人種や言語にエクスキューズする気は一切ないけど、自分にとって欧米は東京やアジアのように一筋縄でいかない場所であるという事はよくわかった。

先の一件は私にとって貴重な”気づき”になった。まだルーチンとして確立できていないが、これを応用して女性からの好感を得ることができるかもしれない。翌日、私はamazonで行動分析学と心理学の2冊の本を購入して、すぐさま読んだ。理論のベースなしにルーチンの確立はあり得ない。

こうして私はLAの地で性愛弱者として、女性に認められるために努力し続けている。ナンパを始めてから約10年になるが、ナンパのためにここまでコミットしたのは初めてだ。シンガポール在住、ヨーロッパ遠征、そしてLA在住。どれも私にとっては人生の挑戦であり、性愛分野における挑戦だった。挑戦が生きがいの私だから人生の挑戦は当然続いていくが、性愛における挑戦は恐らくこれが最後になる。

私がアメリカにいられる期間は1ヶ月を切った。残された時間は多くない。それでもこの最後の聖戦を決して諦めることなく前を向いて戦っていきたい。万策尽きたわけじゃない、信じて戦っていれば必ず神風が吹く。私が背負っている日の丸はそんなに軽くないぜ。

Never, Never, Never Give Up!!

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海外ナンパnote

2 件のコメント

  • 左腕まっすぐ伸ばしてみな、ボーイ。そのままぐるっと一回転して。…よし今、拳がひいた円の大きさが、大体お前っていう人間の大きさだ。その円の真ん中に居座って、手の届く範囲の女にだけ手を伸ばしてれば、お前はそんなに傷つかずに生きていける。そういう生き方どう思う?

    「ダセェ」

    何で腕で書いた円が人間の大きさなんですか!w

    手の届く女にだけ手を出す生き方ってなんですか、ナンパで抱ける女も手の届く女でしょw
    ってか女に人生左右されすぎじゃないですか!
    実は女に動かされているだけのからっぽの人生じゃないすか!(*^_^*)
    そっちのほうがダセェでしょw

  • >「友達」のアイコンさん

    なんで腕で書いた円が人間の大きさなのか私が知るわけないんで山崎努先生に聞いて下さいw女で人生左右されてるっていうのは確かに言えてる。ナンパ師だもんなぁw